隆鼻素材としてはインプラントが一般的ですが、その一方、人工物に対する不安のある患者さま、過去にインプラントによる隆鼻を行ったが何かしらの不満がある患者さまを対象に、自家組織(軟骨、筋膜、真皮など)による隆鼻術を行うことがあります。
ご自身の組織であるため、動いたりすることがないという反面、気に入らなかった場合の修正が難しいのが特徴です。
日本人は西洋人と比し、鼻軟骨は弱く薄い反面、それを覆っている皮膚、皮下軟部組織は相当厚いため、美しい鼻のラインを得るのが難しいという特徴があります。
その点で、隆鼻(特に鼻根から鼻背)素材としては、ご自身の軟骨、筋膜など、厚さの調節の難しい素材よりも、シリコン・インプラントの方が良い結果が出やすいことも事実です。
それでは、実際の手技についてご説明いたします。
| 自家組織移植 |
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1)軟骨
軟骨は移植後の吸収が少なく、柔らかで弾力性に富み、細工もしやすいという理由から、隆鼻用素材としてもっとも好ましい自家組織です。
実際に軟骨を採取する部位としては、耳介軟骨(耳)、肋軟骨(胸)、鼻中隔軟骨(鼻の奥)が一般的です。高さをしっかり出したい場合には、量的に多く採取できる肋軟骨が適応になるのですが、乳房下溝に沿ってできる約4cmの切開創が問題となります。
耳介軟骨は元来が弯曲している軟骨であるため、まっすぐに長く入れる鼻根から鼻背への移植素材としては好ましくありません。一方、鼻尖部は逆に、この湾曲がその形態にマッチしており、最適であります。
鼻中隔軟骨は薄い軟骨であるため、高さをしっかり出すには不向きですが、わずかに鼻スジを通すのであれば、採取部位(donor)が同一部位となるので便利です。
2)真皮・脂肪
隆鼻素材としては一般的でありません。donorとしてはソケイ部(太ももの付け根)より、皮膚を全層に切除し、表皮のみを切除して残った真皮を適度な大きさに細工し、鼻スジに移植することが可能です。適応として、数十年来大きなインプラントが入っているため、鼻の皮膚がうすくなってしまった症例で再び厚みを出したいなどの場合に適しています。
3)筋膜
筋膜は適応的に前述の真皮と同様です。通常は側頭筋膜(毛髪内)を採取します。筋膜は軟らかすぎて単独では隆鼻素材としては不適です。先の軟骨にこの筋膜をロール状に巻きつけて縫合し使用することもあります。
| 筋膜の細工 |
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