【目的】
腋臭症・腋窩多汗症に対し、最近ではボツリヌス菌毒素注射などの非外科的治療法が普及しているが、その効果の確実性、持続性などの点から従来より行われている外科的治療法に取って代わるものではない。一般的に患者側の希望として、効果の確実性に加えて、小さな手術創、術後の安静度の緩和(ADLを制約しないこと)なども無視できない。この問題を解決するために種々の手術器具が開発されてきたのは周知の事実である。反転剪除法は、その効果は疑いのないものであるが、切開創の長さ、術後の安静度の点で、患者側の希望をすべて満たすことはできない。われわれは試行錯誤の結果、反転剪除法に専用器具の使用を組み合わせることによって、わずか1cmの皮切部位から腋窩有毛部のほぼ全域を剪除可能とする術式を考案したため、若干の文献的考察を加え報告する。
【対象・方法】
平成14年3月から平成16年10月までに、44名88側に本術式を施行した。術後固定として、皮弁部に数箇所のanchoring sutureとガーゼを俵状に束ねて、伸縮テープによる圧迫固定を3日間行った。術後1週間は肩関節挙上を制限した。
【結果】
重篤な合併症は一切認めず、6例(10側)に一過性の軽度色素沈着と拘縮を認めた。術後1年以上経過した27名を調査した結果、再発は1例もなかった。
【考察】
腋臭・多汗症手術は一般的に広く行われているが、皮下血種、皮弁壊死、肥厚性瘢痕、医原性粉瘤、炎症後色素沈着など合併症は決して少なくない。これら合併症の軽減、術後患者へのADL制約の配慮、及び安定した手術効果の三要素を充足させるべく、様々な術式に取り組み、現在に至った。現時点においては安定した結果が示すよう、現法は総合的にバランスの良い術式であると考える。
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