【目的】
赤唇部の拡大を希望する患者に対しては近年、ヒアルロン酸をはじめとするfillerによる治療が多く行われているが、運動性に富む部位であるためfillerの吸収速度が速く、非吸収性のfillerには問題が多い。また、自家脂肪移植の生着率も低い部位であるため、永続的な効果を求める患者には外科的手術療法も選択されることになる。今回われわれは粘膜筋弁法、および白唇部短縮術による赤唇拡大をおこない、良好な結果を得たので報告する。
【方法】
赤唇部の拡大を目的としてwet lip内で3 V-Y advancementによる粘膜筋弁法を行った。白唇部の延長をみとめる症例にはParanasal lip liftによる白唇部短縮術を施行した。症例に応じ、両者を併用した。
【結果】
平成12年10月より20年1月までに20名の患者に対し、上記の方法による口唇拡大術をおこない、良好な結果を得た。うち12例では1年以上の経過観察をおこなっているが、いずれの症例も術後明らかな後戻りや変形はみとめていない。
【考察】
赤唇を拡大する手術についてはこれまでいくつかの報告があるが、大別すると白唇部の短縮により赤唇を引き上げるものと赤唇部粘膜の進展術の二種となる。われわれはwet lip内の手術操作になるため、術後瘢痕が見えないのを大きな利点として主に粘膜筋弁形成術を選択している。今回の対象症例では、単に口唇を厚くしたいという患者のみならず上下左右の赤唇の厚みの修正例や加齢による赤唇の非薄化、または上顎骨骨切り術術後の中顔面の変形に伴う赤唇部の非薄化の症例に対しても良好な結果を得ることができた。
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