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当院における下垂乳房に対する豊胸術

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「当院における下垂乳房に対する豊胸術」

第44回 日本形成外科学会総会・学術集会 / 2001年4月 / 東京院 院長 広比利次

目的

乳房下垂のある方が豊胸術を望まれる場合、その術式の選択は非常に難しい。
通常のインプラント挿入だけではかえって下垂感を助長してしまう場合さえある。インプラントの種類の選択、挿入部位の決定、体型(下垂の程度を含む)や希望されるバストサイズ等さまざまな要素より術式は選択されるべきである。当院ではこのように通常のインプラント挿入だけの豊胸術では改善しえない下垂症例 に対して同時にマストペスクシーを施行し良好な結果が得られた為ここに報告する。

方法

当院ではインプラント(特に生食バック)を挿入する部位は乳腺下より大胸筋下の方が優れていると考える。理由は乳腺下に挿入した場合のripplingの 問題、被膜拘縮を起こした場合の不自然な形態、触れた感触を考慮してのものである。
しかし、乳房下垂のある症例において単純に大胸筋下にインプラントを挿入するだけでは思わしくない形態となることが多い。すなわちバッグと乳腺下端との間に段差を生じる、あ驍「は乳房下溝にバッグ下端の位置を合わせると上方に張りが出過ぎて一層下垂感を強調してしまうことすらある。
当院ではこのような症例に対して経腋窩アプローチによる大胸筋下インプラント挿入術と同時に乳輪周囲切開のみによるマストペクシーを同時に施行している。
演者は1997年より4年間に8症例の乳房下垂症例に対してこの複合手術を行っている。

結果

乳輪周囲の最小限の傷跡の問題は残されているが形態的には満足すべき結果がえられた。

結論

乳房下垂のある症例に対する豊胸術はその術式を事前に慎重に検討しなければならない。マストペクシー同時手術は多少の熟練を要するが非常に優れた方法であると考える。

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