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目的に応じた鼻中隔延長術のバリエーション

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「目的に応じた鼻中隔延長術のバリエーション」

第51回日本形成外科学会総会 / 2008年4月 / 東京院 大場教弘

目的

鼻の形態を愁訴に美容外科を訪れる患者の鼻部の特徴として、低鼻、短鼻、鼻柱挙上、急峻な鼻柱口唇角などがあげられる。これらの改善目的に、鼻中隔延長術が行われているが、その延長材料、延長方法は、目的に応じ様々である。希望する形態に応じ、適した移植材料、方法を検討したので報告する。

対象・方法

鼻を高く長くしたい、鼻先を下へ向けたい、鼻柱を下げたいなどを主訴に来院し手術を行った患者114症例、男性14例、女性100例、平均年齢29.6歳。全身麻酔下、あるいは静脈麻酔下にopen approachにより鼻尖部を展開し、鼻中隔軟骨を露出する。鼻尖の高さ、向きを調節することが主目的の場合には、caudal extension graftとして用いる。鼻柱を下降させる、鼻唇角の改善を主目的とする場合には、extended columellar strut graftとして鼻中隔延長術を行った。

結果

本術式により、短鼻の改善、鼻柱の下降など、目的とする形態が概ね良好に得られた。鼻中隔延長術に用いる軟骨の採取部位は、鼻中隔軟骨5例、耳介軟骨85例、肋軟骨24例であった。隆鼻術を併用した患者は74例であった。イメージよりも高すぎる、あるいは若干傾くなどで修正術を要した症例が20例あった。

考察

耳甲介から採取する耳介軟骨が、術後の形態が柔らかく、本来の鼻の質感に近く、caudal extension graftとしてもextended columellar strut graftとしても用いることができるため、第一選択として用いた。大きな変化を求める場合、手術歴があり鼻尖部に瘢痕が存在する場合などでは、強度が強く、材料が豊富に採取できるため肋軟骨を選択した。この場合、採取部の瘢痕が不利な点となる。鼻中隔軟骨は同一術野で採取できるが、大きさも限られるため、わずかな変化を望む場合などが適応となる。

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